子どものやる気を引き出す「言葉かけ」の方法
※2019.8に加筆・修正
こんにちは、奏未です!
塾で働いていてよく聞く声
「うちの子私が言わないと勉強をしないんです。どうすればいいですか?」
「うちの子は勉強苦手だから仕方ないか……。」
「私も勉強嫌いだったから似たのかしら……。」
いやいや、そんなことありません。
その症状、「言葉かけ」を変えるだけで治せるかもしれません!
今回は……
・指示を出さないと動き出さない子どもに悩んでいる人
・子どもに自信をつけさせたい人
・自立した子どもを育てたい人
そんな方々が必読の本『アドラー式「言葉かけ」練習帳』を紹介します。
私は塾で働くうえでこの本を読みましたが、自分の子にも使っていきたいなぁと思う内容ばかりでした。
子育てにとても参考になると思います!
contents
「言葉かけ」の重要性
「言葉かけ」とは、そのままですが何かがあったときにかける言葉のことを指します。
私が今まで関わってきたご家族や私自身塾の生徒と接してきた経験上、言葉かけは子どもの成長を左右するとても大事なものであると感じています。
私たち大人でも何か失敗をしたときに「大丈夫!次は必ずできるよ!!」と言われるのと、「はぁ?なんで失敗したの?!」と言われるのとでは気持ちが変わりますよね。
同じ出来事を経験しても周りの人の言葉かけ次第で捉え方が変わって励まされたり、自信をなくしたりするものです。
純粋で言葉通りに受け取りやすい子どもはなおさらです。
仕事場の塾でのお話ですが、子どもにいつも前向きな言葉かけをしているご家庭のお子さんは、前向きで失敗しても挫けず、何度も挑戦・努力する子が多いです。
一方で、怒ってばかりのご家庭のお子さんは自信なさげで間違えると落ち込んでしまいやる気がなくなることが多々あります。
前向きな子、自信のないというのは性格でこれから先変わることはないというのは間違いです。
性格と言われるものは周りの人たち、出来事などに影響されながら形作られているので言葉かけを変えれば少しずつでも影響を受けて変わっていくものです。
実際、根気強く言葉かけをしたところ前向きに勉強に向かう子が増えてきました。
1週間のうちに数時間しか関わらない私が言葉かけをしても子どもたちは変わっていったのです。
子どもとふれあう時間が長い家族がこの言葉かけをしたらどうなるか……。
考えただけでもワクワクしませんか?
「言葉かけ」の基本姿勢
ここからが本で読んだ内容です。
本書では、具体的な「言葉かけ」の例をたくさん挙げています。
しかし、それらを全部紹介するわけにいかないので基本的な姿勢(方針)についてまとめてみたいと思います。
勇気づけ
「勇気づけ」はアドラー心理学の主な技法の1つです。
「勇気づけ」とは、困難を乗り越える克服する活力を与えることとされています。
前向きになれる言葉と考えてもいいです。
「ほめ」と混同しやすいですが、「ほめ」は上下の関係から生まれてくるもので、「勇気づけ」は横の関係から生まれるものです、
また、「ほめ」は結果に焦点をあてているのに対して、「勇気づけ」は過程に焦点をあてます。
たとえば、「テストで100点とったなんてえらいね!」という言葉かけ。
これは100点とったという結果に注目し、えらいねというのは上から相手を評価する表現です。
この場合だと「やったね!しっかり復習してたからだね!」というように、一緒に喜ぶ、過程に注目するといいです。
①横の関係、②過程に注目した「言葉かけ」をすることを意識しましょう。
プラスの思い込み
みなさんは小さいころに大人に言われた勇気づけの言葉はありますか?
できる子だから大丈夫!
いつも笑顔で素敵だね!
なんでもできるようになるよ!
このような言葉かけはプラスの思い込みとなって自分の力を十分に発揮できるようになります。
私は引き寄せの法則に関する本も読んでいるのですが、そこでも潜在意識に思い込ませるとうまくいくという内容が書かれていたので同じようなものかなぁと個人的に思っています。
確かに「ぼく(私)はできる子だから大丈夫!」って自信が持てれば、なんでも前向きにこなせそうですよね。
逆にマイナスの思い込みを植え付けてしまうこともあります。
なんで片付けできないの?!
早くしなさい!
落ち着きがない子ね~。
これらは片付けができない自分、行動が遅い自分、落ち着きのない自分と思い込んでしまいどんどんその方向へ進んでいってしまいます。
不思議ですが、様々なお子さんを見ていると本当にそうだなぁと思います。
どうせならプラスの思い込みを子どもにはつけてあげたいですね。
前向きな声かけをするだけで、子どものやる気がアップします!
信じて待つ
人は注目された行動の頻度を増していきます。
早く片付けなさい!
と怒っていると、片付けていない状況の頻度を増していくということです。
先ほどご紹介したマイナスの思い込みにも通じる話です。
特に子どもは親に注目してもらいたいものなので、こういった好ましくない行動でも1度注目されるとやってしまいがちです。
では、どうすればいいのか。
信じて待ちましょう。
忙しい毎日なので、実際はこんなこと仏さましかできないのではないかと思います。
しかし、一旦それは置いておいて。
子どもが片付けをし始めたら、「頑張ってるね!」「前よりお片付けが上手になってきてるね!」など、片付けが終わったら「自分だけでできたね!」「きれいになると気持ちいいね!」などの言葉かけをするといいですね。
待てない場合は、「9時までにはお片付け終わろうね。」と「早く」のように曖昧な表現ではなく「9時まで」と具体的に言った方がいいです。
1人でできなかったら一緒に片付けをしながら勇気づけをしてもいいと思います。
最初から1人でできませんからね。
子どもが1人で取り組みだすまで待つのも、最初は一緒にして1人でできるようになるまで待つのもどちらも「信じて待つ」だと思います。
親が焦ってしまっては×。子どものことを信じてことを気長に待ちましょう!
ためしてみた
私の子どもはまだ小さくて言葉もわからないのでまだ本格的にためしていませんが、今回は塾での仕事でためしたときのことを書きます。
字が汚い子には「一生懸命勉強してるね。もう少し字をきれいに書けば見やすいし間違いも減るんじゃないかな。」と頑張りは認めた上でアドバイスをしたり、ある問題がなかなかできるようにならなくてイライラしてきた子には「難しい問題だよね。でも練習すればできるようになるよ!大丈夫!」と共感してから勇気づけをしたり……。
実は、これらは本書に載っていた例をほぼそのまま使っただけです。
本に載っている例は本当にあるあるで、参考にするというより真似すればいいので本当にいい本です。
ちょっと話がそれましたが、本書の通り「言葉かけ」をしてみると、子どもたちが少しずつ勉強に対して積極的になっていくのを感じました。
筆算の列をそろえて書くようになって計算間違いが減ったり、漢字も正確に書くようになったのでテストの得点もあがりました!
難しい問題にぶつかった子も今は何も言わなくても自分で粘り強く問題にあたっています。
少し「言葉かけ」に気をつけるだけでこんなに子どもが変わるなんて思ってもみなかったです。
まとめ
子どもを信じて待ちつつ勇気づけとプラスの思い込みをするように「言葉かけ」をすると、思った以上の効果がありました。
誰でもうまく「言葉かけ」ができるようにあるある例と具体的な「言葉かけ」が書かれているので、これを使って練習しているうちに自分オリジナルの「言葉かけ」もできるようになると思います。
長文を読んでいただきありがとうございます。
参考になったら嬉しいです。
ではまた今度!